紙中心だった請求書・経理申請業務をシステム導入で一元化。 支出管理を効率化し、月45時間の業務削減を実現!
株式会社NextNinja
| 所在地 | 東京都品川区東五反田3-20-14 住友不動産高輪パークタワー1F(総合受付) |
|---|---|
| 設立 | 2009(平成21)年 |
| 事業概要 | スマートフォン向けゲームアプリの企画・開発・運営を一貫して行い、自社タイトルを国内外で配信するゲーム会社。代表作には『グランドサマナーズ』『東方LostWord』があり、企画からマーケティングまで自社内で担っている。 |
| 従業員数 | 263名(2026年1月時点、連結・派遣社員含む ) |
| URL | https://nextninja.net/ |
課題背景
・請求書・経費精算・購買申請が紙中心の運用で、管理・保管の負担が大きかった
・請求書の受領方法が分散し、見落としや支払い漏れのリスクがあった
・紙の運用では、決算早期化や電子帳簿保存法対応が難しかった
実施概要
・支出管理・経理業務効率化サービス「バクラク」を導入
・経費・購買・支払い申請[れ阪2.1]および請求書管理をシステム上で一元化
・OCR・自動仕分け・会計システム/銀行連携により経理業務を効率化
成果
・申請・支払い処理で約45時間の業務削減を実現
・入力作業や二重入力が減り、差し戻しやミスを大幅低減
・残業抑制と、コア業務への時間創出に
導入前の課題
紙を前提とした業務運用によって、負担が増大
―貴社では、品川区の助成金を活用して、支出管理・経理業務効率化サービス「バクラク」を導入されています。導入前にはどのような課題があったのですか。
江森:
当社では、ゲームタイトルごとに「プロジェクト」という単位で業務を行っており、常時10ほどのプロジェクトが稼働しています。ゲーム制作の過程で購買や請求書対応が発生し、購買申請・支払申請ともに月に約200件、合計で400件ほどあります。それぞれの内容を各プロジェクトの担当者が都度、社内システムへ入力し、上長の承認を経て、経理担当者が会計システムへ仕訳を起票する、という流れでした。
長年慣れていた業務フローではありましたが、支払申請の件数が多く、入力項目も多岐にわたるため入力ミスによる差し戻しなどもあり、処理に時間がかかっていました。月次決算を滞りなく進めるために、申請から仕訳までの業務時間をどのように短縮するかが課題だったのです。
また、請求書は郵送やメール、チャットなど複数の経路で届くため、見落としによる支払い申請の遅れや、支払い漏れが起こるリスクもありました。さらに、すべての請求書を印刷・ファイリングしていたため、作業工数や保管スペースの確保も負担になっていました。
ツール選定は、操作性と連携性を重視。区の助成金が導入を後押し
―バクラク導入のきっかけと、選定理由を教えてください。
江森:
きっかけは、電子帳簿保存法への対応でした。電子証憑を適切に保存できる環境を整える必要があり、請求書業務を見直すことにしたのです。選定に当たっては複数のシステムを比較検討し、より直感的に操作でき、現場と管理部門の双方で利用しやすいことや、既存の会計システムと連携できることから、同サービスの導入を決めました。
具体的には、AIによる自動仕分け機能で経理担当者の入力作業やミスが減らせる点に加え、申請者側も、過去の履歴をもとにした入力補助やOCRによる自動読み取りを活用できる点を評価しました。請求書の受取状況をシステム上で確認できるため、申請漏れを防げる点も導入の決め手となりました。
また、システムの選定をしていたときに品川区のデジタル技術活用推進助成の制度を知りました。導入コストの負担を軽減できる点も、導入の後押しとなりました。
実施内容
現場の使いやすさを第一に考えて、管理部門が導入を推進
―導入はどのように進められましたか。
江森:
管理部が中心となり、業務全体を把握している担当者が取りまとめ役となりました。申請に関する設定は総務、仕分けに関する設定は経理が担当し、それぞれの業務内容に合わせて設定を行っています。ベンダーとは主にオンラインで打ち合わせを行い、運用方法や設定内容について確認しながら導入を進めました。
留意したのは、承認フローの設計で人事異動が発生しても大きな変更が不要となるようにしたこと。また、申請項目も申請者が迷わないよう整理しました。社内向けには短時間の説明会を実施し、操作方法についてはベンダー提供の資料を活用することで、導入時の負担を抑えました。
請求書受領から仕訳・支払いデータ作成までをスムーズに
―現在の運用について教えてください。
江森:
各プロジェクト担当者に限定してアカウントを発行し、「請求書受取」で購買申請や支払い申請を行ってもらっています。受領した請求書からOCR機能により自動で必要な事項を読み取れるため、申請作業の手間が大きく減りました。アカウント付与メンバー専用のチャットグループも作り、使用方法の問い合わせや共有事項の確認に用いています。
経理側では、過去の仕訳データをもとに仕訳伝票が自動作成され、会計システムと連携してそのまま起票されるため、二重入力が不要になっています。また、銀行振込用のデータも自動で作成し、CSVで銀行システムに取り込めるようになったことで、振込データ作成や確認作業の負担も軽減されました。
導入後の成果
月45時間の業務削減。確認や督促など、潜在的な負担も軽減
―導入による効果はいかがでしたか。
江森:
まず定量的には、毎月400件の申請作業と仕訳・電子帳簿対応、振込データ照合にかかる時間は、導入前は約71時間でしたが、導入後は約27時間まで短縮され、月あたり約45時間の削減につながっています。これまで繁忙期には、管理職も請求書処理を手伝っていましたが、業務効率化でそれも必要がなくなりました。
業務の中身についても、請求書の回収状況が可視化されたことで督促や確認作業を大きく削減。OCRの活用により入力の手間や差し戻しも大幅に減少しました。紙管理のために生じていた、請求書を印刷してファイリングするような作業も約9割が不要となりました。紙代・印刷代・ファイル代、外部倉庫の保管費用も削減され、オフィススペースやデスク周りがすっきりした点も大きな変化ですね。
人事・労務の効率化、AI活用も。DXに向けて継続的にデジタル化を推進
―今後の取り組みについて教えてください。
江森:
今後は、削減できた時間を本来注力すべき分析などのコア業務に充てたり、残業時間の削減にもつなげていきたいと考えています。
また、別途導入している人事労務システムによるタレントマネジメントや、全社員を対象としたAI研修の開催など、さらなるデジタル活用を進める予定です。引き続き、助成制度などの支援を活用しながら、業務効率化と働きやすい環境づくりを進めていきたいですね。
これからDX・デジタル化に
取り組まれる方へのメッセージ
デジタル化を進める際は、まず現場で負担となっている業務や、ミスが起こりやすい作業から見直すことが有効だと感じています。中小企業には荷が重いと思われるかもしれませんが、自治体の助成制度や相談窓口を活用することで、費用面や検討時の負担は軽減できます。ぜひ、現場の声を聞くことから始めてみてください。
ライター 久保田かおる

